エステティシャン れいこはんの美容ネタ以外の日々雑多を語るページです


by reikohanda

ボルベール(帰郷)を観た

ボルベール(帰郷)を観に行ってきました。

大好きなスペインのペドロ・アルモドバル監督の最新作です。
(とか言いながら 「死ぬまでにしたい10のこと」と
「バッド・エデュケーション」 はまだ観てない
 DVD持ってるのに・・・)
「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」に続く
女性賛歌3部作の最終作にして最高傑作

とテレビの予告編でも言うてましたが、さていかに・・・

舞台はアルモドバル監督の故郷であるラ・マンチャ。
風がおそろしく強く迷信深いこの街、この地方では、自分の生前にお墓
を買って、お掃除をマメにするという風習があります。

若い頃、母となんとなくわかり合えぬまま、故郷を後にしたライムンダ
(ペネロペ・クルス)
。しんどいながらもたくましく、失業中の夫と
14歳の娘を支えていますが、
ある日、この夫が娘に「オレは本当の親じゃないから」などとほざき、
関係をせまってきたのを、娘は誤って包丁で刺し殺してしまいます。
死体を始末しているところを、隣家の空き家になったレストランの
大家が訪ねてきて、「カギを預かっといてくれ」と言われたので、
とりあえず、死体をレストランの大きい冷凍庫に隠しました。

翌日、そのレストランにいると、近くで映画の撮影をしているクルー
から、店の人間と間違われてランチを頼まれます。
それと同時に今度は故郷で、ライムンダの両親が山火事で
死亡したあとショックでボケた最愛の伯母が亡くなって
しまったと連絡を受けます。
姉には「葬儀には行けない」と連絡をして、
姉と、伯母の面倒を看てくれた伯母宅のお向かいさんで独身の
アグスティナに葬儀を任せ、結局毎日レストランの厨房に立つことに
なります。

姉のソーレはラ・マンチャの街で、「亡くなったお母さんの姿をみた」と
いう噂を耳にします。
車で帰宅すると、車のトランクから人の声が・・・
なな・・なんと!亡くなったはずの母がにこやかに現れるのです。
果たして母は幽霊なのか本物なのか〜???

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ストーリーはサスペンスかと思いきや、そうではありませんでした。
その底を流れる、力強い女たちのドラマなのでした。
壮大な「赦し」がテーマにあります。
母との関係、隣人との関係、つながりをとても濃く、複雑に描いて
ありました。


タイトルの「帰郷」とは、故郷への回帰、そして、母への回帰という
二つの意味があると思われます。
また、昔、歌手を目指していたというライムンダが、レストランで
「帰郷」というアルゼンチンタンゴの曲を歌うのですが、
それが、この映画のために作られたんじゃないかと思うくらい
ぴったりとハマるのです。

涙を浮かべながら歌うこのシーンはかなり印象深く、その後の
母との再会を果たす上での重大なモチーフになっています。

ラスト近くで、母が自分の死と、なぜまた戻ってきたのかを説明する
シーンは、感涙モノです。


昔のアルモドバル作品によう出てきた「ありえないキャラクター」は
もう出てきません。
(っていうか、この作品のストーリーかて十分「ありえへん」のやけど)
女性賛歌三部作の前二つのんより、大好きかもしれません。
でも、「オール・アバウト・・・」も捨てがたいしなぁ〜
(っていうか、別に捨てんでええやん!←自問自答)

多くのアルモドバル作品で印象的な、「赤」の使い方も
またまた健在です。

ファッションや室内装飾のヴィヴィッドな色遣いは、
ゲイの監督ならではと言えるかな!

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ゲイの人は、女性を「女」としてみずに、自分を産みだしたという
「母性」として捉えるんでしょうか。
アルモドバル作品に出てくる女性たちは、決していやらしくなく、
力強い大地のようなモノとして描かれてると思いますが、
中でも、この作品の主人公を演じたペネロペ・クルスがとにかく美しい!
普段着が、あの大きな胸を強調した服ばっかしなんですが、
エロさは不思議とありません。目の周りを黒々と強調するメイクは
昔のソフィア・ローレンを彷彿とさせます。
ようするに母の象徴なんですね。
力強く、アルモドバル作品中のヒロインのナンバーワンであると共に、
彼女の今までの出演作品の中でも、ワタシにとってはナンバーワンだと
確信いたしました(笑)!!(エライ誉めようでございます)


現に、この作品で、アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされてます。
また同時にカンヌでは、女性キャスト6人全員に最優秀女優賞が
与えられたとか。
ハリウッドで活躍するラテン系の女優さんとしては、もうトップに
なったと思われますが、そのペネロペが彼女の原点である、
スペイン=アルモドバルの作品に「帰郷」したというのも
この映画のタイトルに合致してるなぁと・・・
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ちと話はずれますが、ペネロペがハリウッドに進出した最初の作品
ウーマン・オン・トップが大好きなワタシです。
ブラジルで、夫とレストランを経営し、並はずれた料理の腕で
大繁盛するんですが、夫の浮気に腹を立て、サンフランシスコの友だち
(オカマ)のところに逃げてくるんです。
彼女の並はずれたスタイルと美貌と料理の腕の良さで、テレビの
料理番組に抜擢されて、有名人になるんですが、夫がなぜかボサノバの
バンドメンバーを従えて訪ねてきて、甘い声で歌いながら復縁をせまる
という、実になんてことないストーリーです。

この映画でも、ペネロペの外見が「おんなおんなした女」を
強調しており、キュートな魅力が全開です。
彼女が作る料理も、画面いっぱいに映るペネロペ自身も旨そうです(爆)。
全編に流れるゆるいボサノバやブラジリアンポップスも合わせて
楽しんで観てみてください。
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by reikohanda | 2007-07-09 23:05 | 映画